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【2025/09/13 05:33 】 |
027 過去の断片1


「ようこそ!我が『深遠の暁博物館』へ!」

“深遠の暁”と言えば・・・オブリビオン動乱の元凶であるデイドラ・プリンス『メエルーンズ・デイゴン』を信仰するオカルト宗教集団のことである。
彼らが脚光を浴びたのは、まさに200年前のオブリビオン動乱の時。
時の皇帝を暗殺し、オブリビオンへ通じる門を開き、邪神を復活させ、タムリエル全土を混乱に突き落としたことによる。【詳細はTES4:Oblivion参照】

赤毛の剣士などの活躍により、彼らの陰謀は潰え、教祖を初めとして、ことごとくが追討され、完全に滅びたと思っていたが・・・。






博物館内には『深遠の暁』の教典を初め、修道服等吐き気を催すものが所狭しと並べられていた。

「なぜ、このようなコレクションを?」
「私の8代前の祖先が、『深遠の暁』メンバーの一人だったんですよ。爺さんも、爺さんの爺さんも、代々身分を隠して暮らしてきたようですがね。」
「博物館を開こうとしたのは?」
「素晴らしいからですよ。どうです?この質量ともに充実したコレクションの数々は?秘蔵しておくなんて勿体無いでしょう?」



「ところで折り入ってあなたに頼みがあるのです。」

呆れて帰ろうとした拙僧を、博物館の館主が慌てて呼び止めた。
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【2012/03/23 23:10 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
026 失われた無垢


ウインドヘルムの街に入ってすぐ、興味深い話が聞こえてきた。

「やっぱりあいつは殺人鬼なんだね!よく分かったよ!」

「ちがうの・・ちがうのよ。」



「ご婦人。先ほど、物騒な話をされていたようだが?」
「・・・聞こえてしまったのね。アヴェンタス・アレティノのことよ。」

子供相手に難儀していた女性をつかまえて、聞き出したところによると、アヴェンタス・アレティノという少年の住む家から夜な夜な不気味な呪文が聞こえてくるという。
以前はそんなことはなく、母子の仲睦まじい暮らしぶりは普通そのものだったが、母親が他界してから一変したとのこと。何でもリフテンの孤児院に預けられた少年が、脱走してこの街に帰ってきてからというもの、呪詛のような言葉が聞こえるようになったらしい。



トラブルは冒険者の糧。
さっそく拙僧は鍵のかかっていたアレティノ家のドアを開け、するりと体を中に滑り込ませた。そして奥の部屋へこっそりと忍び寄ると・・・

ビンゴ!

骸骨やら奇妙な肉やらで形取った怪しげな人形を並べ、黙々と呪文を唱えながら、ナイフを人形につきたてるアヴェンタス少年の姿があった。



「やっと来てくれたんだね。」

少年は拙僧を見て、驚く風でもなく、にへら~っと薄気味悪い笑みを浮かべた。
・・・こわい
・・・マジで怖いよ、この子。



少年の依頼を受けて、リフテンのオナーホール孤児院へとやってきた。
ここの院長グレロッドは、引き取った子供たちに虐待を繰り返しているらしい。

念のため、子供たちや養育士の女性に話を聞いてみたが、アヴェンタス少年の話に嘘はなかった。
いつか殺されるかもしれないと怯える子供たち。
もはや一刻の猶予もない。



「帰りな!ヨソ者の出る幕じゃないよ!」

・・・それが、この婆さんの最期の言葉になった。




「やったあ!こんな日が来るなんて!」
「自由だ!自由だ!キャハハハ♪」
「グレロッドがいなくなった!グレロッドがいなくなったーー!」

事態を知って、はしゃぎまわる子供たち。
良かれと思った末のことだが・・・人の不幸に興奮する子供たちをみて、奇妙な感じがした。

疲労を覚えた拙僧は、そそくさとウインドヘルムに帰った。



「ありがとう。依頼どおり、ヤ(殺)ってくれたんだね?」
「ああ。ヤ(犯)った。」
「婆さんが相手だと簡単だったでしょ?」
「いや、婆さんが相手だからこそ、キツかった。」
「へえ?プロでもそうなんだ。で、最期の様子はどんなだった?」
「腹上死にパターンなんてあるのか?」
「え?」
「ん?」

・・・何やら、アヴェンタス少年と拙僧の間に行き違いがあったような気はするが、依頼者の期待通りの結果になったようだし、まあ是としよう。

疲れた身を横たえて、自宅で一眠りした後、奇妙な手紙が届けられた。

【2012/03/23 22:25 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(1)
025 デイドラの親友


退屈な校長生活に飽きた拙僧は、刺激を求めて大学を飛び出した。
またまた冒険屋稼業を再開し、立ち寄ったファルクリースの街で迷い犬探しを請け負った。

久しぶりなので手頃な仕事を、と思って選んだのだが、そう簡単にはいかなかった。


歯車が狂い始めたのが、探していた犬が人語をしゃべった時である。

「俺はバルバス。実はデイドラプリンスの『クラヴィカス・ヴァイル』と喧嘩しちまって、家出中なのさ。」
「え?でもファルクリースの鍛冶屋で飼われてるんだろ?」
「それは仮の姿。餌とあったかい家を用意してくれる人間はいろいろ便利でね。」
「随分と上から目線だな。」
「そう言うな。実は折り入って頼みがあるんだがな。」
「ん?」
「喧嘩の仲裁を頼みたいんだ。」





クラヴィカスの像が祀られている洞窟へと向かうと、そこには吸血鬼の一団の姿が。
・・・すっかり住み着いちゃってるね~。

自分の居ぬ間に、勝手に我が家が不法占拠されていたバルバスは激怒。
止める間もなく、単独で吸血鬼の屯している所へ飛び出していき、
あっという間にすべての敵を片付けてしまった。

「すげー!




バルバスが戻ってきたことを知ったクラヴィカスは大喜び。
お礼に拙僧の望みを何でも叶えてくれるという。

スカイリムに平穏を!・・・と言ったら、
「全人類を滅ぼそう。ならば平穏はすぐにやってくるだろう。」とむちゃくちゃ言いよる。
・・・いやいやいや。
デイドラって基本、人間なんてゴミ以下ぐらいにしか考えてないことを思い出した。


拙僧にモテ期到来させて!・・・と言ったら、
「すまん。それだけは無理。」とこれまた理解不能な回答。
・・・ねえ?どういう意味?神でも無理ってこと?拙僧、泣くべき??

結局、「これで勘弁して」とパワーが宿った仮面をもらった。けっ

【2012/03/21 00:35 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
024 マグヌスの目


拙僧がいない間、アンカノはますます力を強めたらしい。
皆、大学の敷地内に留まる事すらできずに、外に放り出されていた。
極寒の状況下で、皆アンカノの築いた障壁を破ろうと、全力を尽くしていた。


「おお!マグヌスの杖を持ち帰ったのか?早速それを使え!」


トラフディルに言われるまでもなく、拙僧は杖を振りかざしていた。
途端に遺物から放出した膨大なエネルギーがすべてアンカノの元に向かい、アンカノは消滅した。



「ありがとう!君は大変な功績を成し遂げた。」
気が付くと、傍には神出鬼没のクアラニル君が立っていた。

「まだこの『マグヌスの目』を一般の魔法使いが使いこなすには危険がありすぎるんだ。これは我々が預かっておくことにするよ。」
「我々って?」
ふと笑うと、クアラニル君は名刺を差し出した。
「ス・・・SW財団!?やっぱりお前って!!」
クアラニル君は何も言わずに消えた。また性懲りもなく、時を止めたのだろう。




「校長先生!」

「へ?」
「あなたの功績を讃えるには、校長の地位しかありません!」
「ええ!?」
「謹んでお受けください!」
「いや、お受けも何も・・・拙僧ろくに授業を受けてないし。魔法もからっきしのままだし。」
「大丈夫です。我々教師陣が、全力でサポートします。」

トラフディルを初めとする先生一同が、熱い眼差しで拙僧を取り囲んでいた。
「そんなこと言われても・・・。」
いつまでも煮え切らない拙僧の耳元にトラフディルがぼそっと囁いた。

「来年にはカワイイ女生徒が大量に入学予定ですいかがです?これは、という娘に校長自ら個人指導をなされては・・・
トラフディルの顔を見ると、すっかり媚びへつらう悪徳商人のような顔になっていた。
・・・ふっ。個人指導か。悪くない。

「そちも悪よのう。
「では校長就任の件、承知ということで宜しいですね。
「うむ。苦しゅうないぞ。
「はは。ではあとは、万事このトラフディルめにお任せ下さいませ。
「よきにはからえ。
「やはり校長は、女には目がないようですな。
「何を言うておる。お主も甘い汁を吸いたいのであろう。
「はははあああーっ。校長のご慧眼には適いませぬな。いや、私めはほんの少しばかりのおこぼれを頂ければ、それで結構なのです。

こうしてウインターホールド大学には、新体制が築かれた。
拙僧が校長として君臨した大学の入学基準は、器量良しの女性には甘くなったとかならなかったとか・・
【2012/03/19 22:20 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
023 マグヌスの杖



ウインターホールドの街に異形の生物が発生するようになった。
ミラベル女史の頼みを聞いて、拙僧はしばしの間、化け物退治に精を出した。

ま、女の頼みは断らないのが拙僧のポリシーではある。
(都合でどうとでもなる程度のポリシーだけど・・。
化け物をあらかた退治し終えると、今度は女史にマグヌスの杖を取って来てくれと言われた。

イカン・・あごで使われてる
もしかすると手を出してはいけない女に絡んでしまったのか・・・



 

マグヌスの杖があるという『ラビリンシアン』にやってきた。
地下に大都市がある遺跡だ。





不思議な話だが、ここには過去に校長先生とその仲間が訪れていた。

 



追体験を誰かが拙僧に見せている。
よくは分からないが、幽体となった校長先生たちがまるで拙僧のことには気づかないのだ。

校長先生は皆を勇気付け、励まし、叱咤していた。リーダーなのだろう。
先導を切って、この遺跡を進んでいた。

だが、罠や化け物との遭遇で、仲間たちはひとり、またひとりと倒れていき・・・

最後に校長先生は残る仲間を置き去りにして、一人だけ逃げ出した。

「すまない。仕方がないんだ。」と校長先生が言うごとに、後味の悪い思いがした。


驚いたことに、校長先生に見捨てられた仲間二人は、幽体となった今でもその身を賭して、地下に潜む最大の化け物を封じ続けていた。




拙僧は、彼らの肩に手を置き、「もういいんだ」と無言の眼差しを送った。
真意は伝わったらしい。
体は封印術の継続を止め、成仏していった。
「南無・・・」友に裏切られても尚、使命を放り出すことを良しとしない魔術師達が静かに逝った。自然と拙僧の口から念仏が漏れた。

活気付いた化け物の親玉は、拙僧の一刀により一瞬の自由を謳歌しただけで旅立った。

「もしや、この追体験をさせたのは、校長か?」
そんな考えがふと過ぎった。

贖罪として、拙僧に自分の心残りを代わりに果たさせる。
見捨ててしまった仲間の魂を救いたい。その思いが最後に拙僧を導いたのだと。

しかし、それは感傷なのかもしれない。拙僧が、そう思いたいだけなのかもしれない。


複雑な思いをしながら、拙僧はマグヌスの杖を手に入れた。

【2012/03/19 21:22 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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