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【2025/09/12 10:51 】 |
057 厳しい答え1


ううっ・・・

「気がついたようね。」



「私はカーリア。あなた達、盗賊ギルドが探し回っている相手よ。」
「・・・。」
「どうする?捕まえる?命の恩人を?」
「どうだかな。拙僧を毒矢で射たのはお前だろう?」
「あなたはその毒のおかげで命拾いしたのよ。意識を失ったあなたを見て、メルセルは事切れたと勘違いして止めを刺さずに去ったのだもの。」
「毒がなければ、みすみす刺されることもなかったさ。」
「私だって、迷惑を被ったんだからね。長年練り続けてやっと実行に移した計画を、あなたのおかげでおじゃんにされたんだから。」

いろいろと口論はしたが、カーリアは深手を負った拙僧の介抱を続けてくれた。
根はいい奴なのだろう。
とてもギルドの幹部連中が言うような極悪人には見えない。

不審そうに見つめる拙僧を察して、カーリアはすべてを話してくれた。
  • カーリアとメルセルと先代はかって固い絆で結ばれた同志だったこと。
  • メルセルが突然先代を殺害し、罪をカーリアになすりつけたこと。
  • 新しいギルドマスターになったメルセルの命でカーリアはギルド全員に追われる身となったこと。
  • カーリアは潜伏先を転々としつつ、身の潔白の証明と復讐を果たすために、メルセル捕縛計画を練っていたこと。
  • 計画が功を奏し、メルセルをこの遺跡に誘き出すところまでは上手く行ったが、誤って拙僧を射てしまい、メルセルを捕らえ損ねたこと。

「で、拙僧に何をして欲しいんだ?まさか慈善事業でもあるまい。」
「実は協力者を必要としていたの。」

そう言って、カーリアは古い日記を見せてくれた。

「これは?」
「先代の日記よ。見ての通り、解読不能の文字で書かれてて、何のことかさっぱり。用心深い人だったから、こんなことをしたんだろうけど・・。」
「この日記にメルセルの罪を暴き立てる何かが書かれてると思うのか?」



「・・・という訳だ。エンシル。」
「校長先生の頼みとあっては断れませんなあ。それに先代のギルドマスターとは実は親友でしてな。」
「ウインターホールド大学と盗賊ギルドに繋がりがあったとは思いもしなかったな。」
「個人的つきあいですよ。私の研究室に以前、あ奴が忍び込んだことがありましてな。」
「昔話はまた今度ゆっくり聞かせてくれ。で、これを読めるか?」
「・・・残念ながら、私には無理です。ただ、これを読むことが出来る者を知っています。」
「それは?」
「マルカルスに住むカルセルモという男です。」
「ああ、あのじーちゃんか。」
「彼をご存知で?」
「ああ、先日ちょいとした手助けをな。」
「それなら話が早い。頑固で研究の邪魔をされることを何より嫌う人ですが、校長の頼みなら聞いてくれるでしょう。」



「・・・という訳だ。カルセルモ。まさか恋のキューピッドの頼みを無下にはせんよなあ?」
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【2012/04/21 22:19 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
056 沈黙の会話


裏切り者のカーリアが潜伏しているという『雪帷の聖域』にやってきた。
待ち合わせていたギルドマスターのメルセルはすでに到着していた。

「前を歩け!」
「不案内な拙僧が先を行くのか?」
「命令できる立場にあるのは俺の方だろう?つまらん罠にかかって、カーリアに察知されたら許さんからな。」
「へーへー。」

苛立たしげに彼は「先を急げ」と拙僧をうながした。
ギルドに入った当初から思っていたが、この男あんまり好きになれん。



「この扉・・・封印されているようだ。」
「素人は引っ込んでろ。この遺跡の扉にはすべてコツがいるんだ。」

・・だったら、自分が先導しろよ。


その後、遺跡内に蔓延るドラウグルの群れを切り伏せ、先を急ぐ拙僧たちの前に、また特殊な扉が現れた。



立ち尽くすしかない拙僧に、かぶりを振るメルセル。
「ヤレヤレ・・使えん新人だな。」


今、分かった。

盗賊ギルド衰退の理由の一つは、こいつの人望のなさだ!


かつて、この遺跡に来たことのあるメルセルは、当然ながら攻略法も知っている。
彼はコツとやらを使って、難なく扉を開けて見せた。

で、前を行けとあごでしゃくって見せた。

きーっ、こいつ、後で絶対泣かせてやる!!



痛ッ!

遺跡最深部に辿り着いた拙僧に突然の衝撃がっ!



射、られ、た?

・・・意識が薄れゆく。




ブラックアウトしていく視界の端にふたりの人間が話している様子が見える。

「裏切り者!よくも、よくも彼を・・。」
「ふふふ。真実を知るのはお前だけだ。」




「あなたの手にかかる私だと思って?」



「ちっ。逃げられたか。」



残された人影が近づいてくる。

「おおっと。お前、まだ意識があったのか。」

この声はメルセル・・・?



「悪いが、ここで死んでもらおう。秘密を知られてしまったからにはな。」


うぐっ。



刺された。


剣を抜かれたところから、血がどくどくと流れ出していく。




ち、き、しょ、お・・・・
【2012/04/21 21:11 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
055 ならず者の愚行


現ギルドマスターのメルセル・フレイに、黒幕について相談してみた。
彼にも見当がつかないとのことだったが、協力者のガラム・エイならば分かるかもしれないと教えてくれた。



「ただアイツは最近ギルドに対して非協力的だ。気を付けた方がいい。」

突然拙僧とメルセルの会話に割り込んできたブリニョルフ。
まあ、適切な助言をくれたようだし、いいか。



「ゴールデングロウ農園・・・?知らんな。」
「はいはーい!トカゲちゃーん。嘘はいけないな~。」
「知らないものは知らないって言ってるだろ。」
「後でバレると大変なことになるぜ。拙僧がニコニコしてる間に吐いちまえよ。」
「・・・。」

ガラム・エイはとある人物の依頼を受けて、ゴールデン農園の買取を行ったことを自白した。
ただその『とある人物』については、知らないの一点張りだ。


怪しい。






拙僧は、用は済んだとばかりに、立ち上がったガラム・エイの後をこっそりと尾行した。
すると彼は東帝都社の倉庫へと入っていった。

彼はギルドの協力者の立場ながら、表の顔は東帝都者の請負社員である。
倉庫に向かうのは不自然ではない。

ただ虫の知らせか、おかしな気がした拙僧は、尾行を続けた。




倉庫に入った彼は、辺りの荷物に一切注意することなく、どんどん倉庫の奥へと歩いていった。

すると山積みにされた荷物の奥に洞窟への抜け道があることが分かった。

ガラム・エイは当たり前のように洞窟の中へと姿を消した。



洞窟の中には、山賊が大勢屯していた。
なるほど、おそらくガラム・エイは賊共に東帝都社の荷物を横流ししているに違いない。
儲けた金をピンハネしているせいで、ギルドへ回す金が減るようになったのだ。

「あちゃー。ここまで来ちゃったのかよ。」
「見たぞ。お前の裏取引現場を!(嘘)」
「・・・黙っててくれよ。」
「別にいーけど、タダじゃあ無理だな。」
「条件付きかよ。」
「拙僧は喋ったっていいんだぜ。お前さんがギルドと東帝都社の双方を敵に回すことになるだけだ。」
「分かった!あんたの言い分を呑もう。何なんだ?」


・・恐るべきことが分かった。

ギルドに敵対する黒幕はなんとカーリアという女性らしい。
ギルドの古株連中の話によれば、先代のギルドマスターを殺害した張本人ということだった。
【2012/04/18 01:14 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
054 湿ったスピリッツ


「へえ。あなたが盗賊ギルドの若きエースってワケ?」
「給料は安いけどな。」

リフテンでの大スポンサー『メイビン・ブラック・ブライア』の依頼を受けて、彼女に敵対する『ホニングブリューハチミツ酒醸造所』を叩き潰す為の陰謀に荷担することになった。

さっそく拙僧は協力者に会うため、ホワイトランへと向かった。




「あいつには安い賃金で扱き使われて、頭に来てたところなんだ。」

協力者は『ホニングブリューハチミツ酒醸造所』の従業員マラスだった。
彼によれば、対象は近日中に害虫駆除に取り掛かるらしい。

巣穴を通じて、樽の保管場所に行けるので、駆除に使った毒薬をそこに放り込めばいいとのこと。

毒を混ぜて飲ませているとなれば、逮捕拘留は免れない。
その間に寂れた醸造所を奪い取ろうというものだった。



「よく来たな。新人だろ?最近従業員がサボるんで、困っていたところだ。お前にはさっそく一仕事してもらおう。」
そう言いつつ、渡されたのは害虫駆除用の毒だった。

トントン拍子に話が進むなあ。



じゃあ、地下室へ出発!



地下には、ネズミやら蜘蛛やら、変人やらが住み着いていた。
どいつもこいつも瞬殺しながら先に進んだ。



毒を仕掛けた後は、さらに置くに進むと、なんと本当に『ホニングブリューのボイラー』に出た。
所狭しと醸造タルが並んでいる。



拙僧はそのうちの一つを選んで、毒を仕込んだ。



店に戻ると、ちょうど帝国の将軍が試飲にやってきたところだった。

たまたま立ち寄った将軍に上手く好印象を植えつけることができれば、商売繁盛のチャンス!
さっそくホニングブリューは自信満々で蜂蜜酒を持ってきて・・・見事に将軍の怒りを買った。

「なんじゃ、こりゃあ!んなもん飲めるか!



「くっくっく。ここまで上手く行くとは・・。」

ホニングブリューがどんなに言い訳しても、将軍は耳を貸さなかった。
彼は連行され、残ったマラスが悪そうに笑っていた。
彼は今後ブラックブライア家の手先として、この醸造所の切り盛りをしていくことになったらしい。



拙僧はメイビンからのもう一つの依頼を果たすべく、ホニングブリューの書斎へと向かった。

ホニングブリューの突然の躍進の理由は何か?
・・・きっと協力者がいるに違いない。
ではその協力者を暴くべく、手がかりを掴むべし!

それが第二の依頼であった。
書斎の金庫には、案の定、手紙が残されていた。



「ふーん、これが手がかりね。」
「ああ、そうだ。」
「でも名前がどこにも載っていないわよ。」
「冒頭にマークがあるだろ?あれと同じものをゴールデングロウ農園でも見た。」
「本当?では誰かが私を潰そうと企んでるってことね!?」
「かもしれない。」
「いい働きだったわ。今後も頼りにしてるわよ。」



拙僧はギルドに戻って、事の顛末をブリニョルフに報告した。

「なるほどな。誰かがメイビンと我々の結束を弱めようとしている考えることも出来るな。」
「確かにそうとも言えるな。」
「・・となると、標的はギルドの可能性もあるな。」
「ああ。」
「よし、お前は引き続き調査に当たってくれ。」
【2012/04/16 21:07 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
053 ディベラの心臓2


「どおりゃああーー!娘を返さんかい、ワレーーーー!!

砦に突入してからと言うものの、エンモンはずっとこの調子だ。
フォースウォーンの姿を見止める度に、得物のつるはしを振り上げて襲い掛かっている。

フォースウォーンの連中は、奇声を発して襲い掛かる男よりも、その背後にいる拙僧の姿を見て、戸惑っていた。

(エ、エダジマ!なんであんたが一緒にいるの?)
(馬鹿野郎。お前達のせいだろ!)
(え?何のこと?)
(分からんのか?この人の娘さんを誘拐したんだろ?)
(あ、あれは金になるらしいってボスが言うから。)

エンモンの肩越しに、拙僧とフォースウォーンのアイコンタクトが交わされる。時にはジェスチャーまで交えて。

(とにかく、適当にやられたフリして倒れとけ!)
(あんたはどうすんだ?)
(俺はこの人を見張って、ずっとついてく。)

エンモンのつるはしが空を斬る度に、フォースウォーンがいささか、わざとらしく絶叫して倒れていく。
「うわあああぁぁ!!や・ら・れ・た~~~!」

下手な演技だが、無我夢中のエンモンに気づく様子はない。



「お父さん!」



「おお!フョトラ!無事だったか。」
「お父さん、助けに来てくれたの?」
「ああ、お前の為ならどこだって駆けつけるさ。」



「それにこの人が助けてくれたんだよ。」
「お坊さん?・・・ありがとう。」
「いやいや、どういたしまして。」



フョトラは次代のシビルに選ばれたことを知ると、大いに喜んだ。

エンモンも娘が神に仕える巫女になることに賛同した。
「俺も娘に着いてっていいか。娘が心配だし、その・・・女神官をいっぺんでいいから一目見てみたいし。」

このエロ親父め。
まあ、いいか。拙僧も他人のことをどーこー言えんし。



「良くやってくれたわね。ありがとう。」

次代のシビルが無事やって来たのを見て、ハマルはとても喜んだ。
「あなたにはお礼をしなきゃ。」
「いーよ。もともと拙僧が引き起こしたトラブルなんだろ?」
「でもあなたのおかげで、万事上手くいったのも確かだわ。ちょっと手を出して。」

拙僧がおずおずと手を差し出すと、ハマルは優しく口付けをした。

ドキン

「はい。これであなたにはディベラの加護がつくわ。これからの旅が無事であるように。」
「ふ、不覚。拙僧ってば盗賊なのに大事なものを盗まれてしまいました。」
「は?」
「それは拙僧の心です。」
「はあ?」
「ハマルぅぅぅーーー!好きだああ!!」
「こ、こら!離しなさい!私は神に仕えるものですよ。コラ、止めなさいってば!!」


あとの出来事は想像にお任せします・・・。

【2012/04/15 12:10 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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