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【2025/09/11 23:18 】 |
077 緊急事態3


元アリクルの兵士の情報によれば、長ケマツは『詐欺師の隠れ家』に潜伏しているらしい。



「おーけーおーけー!お前の強さは分かった。我々は話し合うことができるはずだ。」

隠れ家に進入してから、十数人にも及ぶ敵が襲ってきたが、すべてを返り討ちにした。
どうやら拙僧の強さに辟易したらしい。
部下6~7人を従えたリーダーらしき男が戦闘中止を呼びかけてきた。



「ここは平和的に行こう。無駄な血を流さないことがお互いにとって良い筈だ。」
「お前がケマツか。思ってたよりも紳士的だな。・・・殺し屋にしては面白いことを言うじゃないか?」
「俺が殺し屋?はっはっは。お前の冗談の方が傑作だぞ。あの女にそう吹き込まれたか?」
「・・・違うと言うのか。」
「俺はハンマーフェル政府の役人だ。祖国を売り飛ばした罪で、あの女を追ってる。」
「少し話が食い違ってるな。」
「見かけに騙されるな。カワイイ顔をしていても、あいつは百戦錬磨の貴族だ。」
「うむむ。」
「よし、こちらは奴の報酬の倍を出そう。奴に上手く言って誘き出してくれ。」
「分かった。双方の主張を聞いてから、拙僧が断を下す。」



ホワイトランに戻った拙僧は、バナード・メアに隠れているサーディアに嘘を付いて説得した。

「すまん。奴ら全員は仕留められなかった。残党がここに襲撃に来る。馬を待たせているから、それに乗って逃げろ!」



一瞬ポカンとしていたサーディアだったが、急に脱兎のごとく、走り始めた。
拙僧に礼もなく、目もくれずに・・である。
うーん、感じ悪ぅ~。これだけでも十分有罪なんだけどな~。



「何?一体これはどういうこと?」

ホワイトランの馬屋で彼女を待っていたのは馬だけではなかった。
馬の傍らで仁王立ちしているケマツを見て、彼女の表情は強張る。



「騙してすまなかったな。悪いが、今から拙僧の前で双方の主張を聞かせて・・・」
「くらえっ!」



ケマツから放たれた魔法がサーディアに当たったかと思うと、彼女は石のように膠着して動かなくなってしまった。

こ、この野郎~!
ケマツもむちゃくちゃやりよるやんけ!
こいつら揃いも揃って、拙僧の好意を無にしやがって~~~~っ!

うーん、無礼女と無礼男!どっちの味方につくべきか?


同じ無礼ならだ~!



拙僧に報酬を支払おうと懐をまさぐるケマツに問答無用で斬りかかって成敗した。
卑怯と言うなかれ、非はこいつにある。

ケマツが倒されたことにより、魔法から解き放たれたサーディアが起き上がって礼を述べた。
愛想よく笑って、「お世話になりました。」と頭をペコリと下げる。

そこには先刻までの無礼さは消えてなくなり、いつもの陽気な給仕係がいた。
うーん、やっぱり猫被ってるんだろうな~。
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【2012/05/02 12:09 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
076 緊急事態2


「囚人に面会たあ、どういう了見だあ?俺はお前なんて知らねえぞ!」
「お前、アリクルの戦士だろ?」
「だったらどうした?」
「長のケマツはどこにいる?」
「待った!・・・それを簡単に教えるわけには行かねえ。取引だ。応じるか?」
「条件を言ってみろ。」

サディーナと話をしたところ、アリクルの戦士達は暗殺者集団と言っても、長のケマツのカリスマで統制が利いているだけであり、彼さえ叩けば、直に瓦解するだろうということだった。

昨今、アリクルの戦士の一人が、ホワイトランに収監されており、彼からケマツの居場所を聞き出せるかもしれないと聞いて、早速彼に会いに来たのだった。


「俺をここから出してくれ。」
「それが条件か?」
「ああ、そうだ。アリクルの戦士は超一流であることを求められる。ドジこいて、牢に入れられただけで、もう俺はアウトさ。どっちにしろ先はねえ。情報を教えてやるから、手引きをしてくれよ。」
「お前の罪はいくらぐらいだ?」
「たぶん、100Gを衛兵に握らせれば、釈放されるだろうよ。」
「分かった。待ってろ。」



「奴の保釈金を拙僧が払おう。」
「ほう。奇特な奴がいたもんだな。200Gだ。」
「100Gと聞いていたが・・・悪い奴だな。ま、良いだろう。ほらよ。」

拙僧は、保釈金を渡したことを告げ、元アリクルの戦士からケマツの場所を聞き出した。


ちなみに、彼はその後・・・



「おい、金はもう支払われたんだろ?早く出してくれよ。」
「ん?そうか。なら鍵を開けないとな。おや?鍵がないぞ。」
「早くしてくれよ。」
「まあ、待て!今探してるから。うーん、どうも見つからんなー。よし、じっくり探してみるから、もうしばらく待ってろ!」
「この糞野郎!出さねーつもりだな!?」
「はっはっは。何を言ってるんだ?そんなこと一言も言ってないだろ?ただ鍵を探し出すのに1~2ヶ月はかかりそうだってだけさ。」
「ちきしょーーーー!」

・・・と悪徳看守によって、いまだに牢の中に入れられっ放しだったりする。
【2012/05/02 10:36 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
075 緊急事態1


ある日、ホワイトランの町でブラブラ(かわいい女の子を物色)していると、
正門付近でむさくるしい男2人から話しかけられた。

「この辺でリガードの女を見かけなかったか?」
「いや、見たような。見てないような。人探しか?」
「ああ。逃亡者でな。わざわざ本国から探しに来てる。どんなことでもいいから、情報を入手したら連絡をくれないか?報酬は払う。」
「もうちょっと特徴はないのか?いくらなんでも範囲広すぎだろ。」
「カワイイ。」
「よし、それだけで十分だ!」



「この辺で美人のリガード娘っていったら、あんたしか思い浮かばないんだけど・・。」

バナード・メアで給仕をしているサーディアだ。
器量良しで愛想も良くので、この店の看板娘になっている。

「ちょっと上で、私の話を聞いてもらえるかしら?」
ちょっと困った顔をして、サーディアは拙僧を自室に招いた。



「あなた、奴らの手先?私を殺そうっての?殺られる前に殺ってやるわよ。」
自室で二人きりになると、サーディアは突然懐からナイフを取り出して、拙僧を睨み付けた。



「おいおい、落ち着けよ。別にあんたに危害を加えるつもりはねえよ。」
「奴らに私のことを報告するんでしょ?同じことよ。」
「分かった分かった。じゃあ、とにかくあんたの言い分も聞こう。どうするかはそれからだ。あんたも物騒なモン、しまいなよ。」

思ったより、ぶっ飛んでる娘だな。日頃の愛想の良さは、ただ単に猫を被ってただけか?
ちょっといいな~って思ってただけに、拙僧ちょっぴりがっくし。



「分かった。全てを話すわ。私は元ハンマーフェルの貴族なの。アルドメリ自治領に媚を売る政府のやり方を非難したら、国家反逆罪として密かに暗殺されそうになったのよ。あなたに接触してきた男達は、政府が雇った暗殺者ってわけ。だからスカイリムまで逃げてきて身を隠してたんだけど・・・。どうしても私を許せないのね。ここまで追っ手を寄越すなんて。」
「主義主張は理解するつもりはないけど、まあ殺し屋差し向けるのは一方的に過ぎるな。よし、拙僧はあんたの側につこう。」
「ありがとう!もちろん報酬は弾むわ。お金が良い?宝石?それとも・・?」
【2012/05/02 10:16 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
074 囁きの扉


「聞いたよ、首長。なんか子供さんの事で困ってるんだって?」
「もう噂になってるのか?全く人の口には戸が立てられんようだな。」


いつものようにバナード・メアでナンパに勤しんでいると、女主人のフルダが仕入れてきたばかりの噂話を聞かせてくれた。
「何かさ、首長の一番下のお子さんが最近、陰気通り越して不気味らしいよ。」
「何だ、それ。」
「もともと上のご兄弟と違って、引きこもりがちらしかったんだけど、最近は不気味な言葉を呟いたり、周囲の大人を憎しみのこもった目で睨み付けるようになったとか。」
「へえ。」
「へえ・・じゃないでしょ。あんた、仮にも従士なんだったら、ちょっと出かけていって問題解決してきなさいよ。」
「やだよ、面倒くさい。」
「あら?そんなこと言っていいのかな~~。もう店内じゃ、ナンパ禁止ってことにしてもいいんだけど?」
「おいおい、脅しかよ。」
「じゃ、決まりね!行ってらっしゃい!」



「あの豚のケツ野郎があんたを寄越したのかい?」
「おいおい。お父さんの事をそんな風に言うもんじゃないぞ。」
「いいんだよ。大人なんて大したことないんだし。俺はあいつらよりも何だって、知ってるんだから。」
「何を知ってるって言うんだ?」
「昔アイツが市民を粛清したこととか、僕だけ母さんが違うとか・・・。」
「おい、誰がそんなことを言ったんだ?」

年端のいかない子供に聞かせていい話と悪い話とがある。
まだ精神の未熟な子供につらい話を聞かせると、それだけで心身の成長が阻害されることもある。
だからこそ大きくなって、どんなことも受け止められるようになるまで伏せておいた方がいいのだ。

よりにもよって『粛清』に『血縁』だと・・。
一体、誰が?

「・・・扉の向こうの人だよ。」
「扉?」



問題児ネルキルによれば、ドラゴンズリーチには開かずの扉があって、その向こうから女性の囁き声が聞こえてくるんだとか。

ネルキルから教わった通り、問題の扉の前まで行って、耳を押し当ててみた。
「よく来た。お前の到来を待っていたぞ。」
「あんた、誰だ?」
「我はメファーラ。」

メファーラと言えば、嘘と秘密と策略を司るデイドラの王じゃないか。
ネルキルめ、厄介な奴に目を付けられたな。

「子供をたぶらかしてるんだってな。」
「別に。あの子供が歪んでいくのを楽しみにしているだけだ。」
「やめてもらえんかな?」
「どうして定命の者の言う事を聞かねばならんのじゃ?」
「代わりに拙僧が、あんたの喜ぶことをしてやろう。」
「ほう・・我と取引するというのか。」
「何をして欲しい?」
「ではこの扉を開けてくれ。大丈夫。我はこの世に直接的に関わることはできぬ。」
「開けてどうするんだ?」
「この部屋に閉まってある武器を手に取れ。それだけで良い。」



「扉の鍵なら、アイツか魔術師のファレンガーが持ってるはずだよ。」

・・・このガキ、本当に何でも知ってやがるな。



ほい。ちょこっと失礼しますよ~。

日中、スキの見せないファレンガーが眠るのを待って、鍵をスッた。
いかに聡明な魔術師と言えど、眠っている時は無防備のようである。



「ふは、ふははははははー。いいぞいいぞ。早く開けるが良い。」

メファーラも何だか、興奮気味だ。



部屋の中には一振りの剣と、一冊の本があった。



ふーん・・・裏切りの剣ね。



生き血を啜らずにはいられない剣。
所有者の心を蝕み、近しい者から順に手をかけていくことになるんだとか。



メファーラはどうやら拙僧を虜にしたいらしい。

「約束は果たしたぞ。もうネルキルには構うな。」
「良かろう。あのような子供、別にどうでも良い。お主という新しい玩具が手に入ったのだからな。」
「あ、そんなこと約束に入ってないし。」
「は?」

拙僧は自宅に帰ると、剣を押入れに放り込んだ。
「おーい!」

ま、拙僧がしばらくはここで預かるさ。いずれまたドラゴンズリーチに戻そう。
その頃にはネルキルも立派に成人しているだろうし、先の話までは拙僧も責任持てん!
【2012/05/01 16:31 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
073 思い出の夜4
イソルダの情報でモルブンスカーへとやってきた拙僧。
そこは死霊術使いの巣窟と化していた。



何度か死線を潜り抜け、奥へと辿り着くと、そこには不思議な球体があった。

何だ、これは?

指先で球体に軽く触れた途端、視界が真っ白に鳴った。



ここは一体・・・どこだ?



ん?誰かいるぞ。



てっ、てめえ!サムじゃねえか!?

「やあやあ。ようやく来たか。もう諦めかけていたぞ。」
「おい、これは一体どういうことだ?」
「どうもこうも・・・こういうことさ。」



サムはあっという間にデイドラの姿になった。

「サム・・・あんた何者だ?」
「俺の名はサングイン。」

サングインと言えば、酒・快楽・道楽・酒池肉林を司るデイドラの王子!?

「ああ、よく知っているようだな。」
「バカ騒ぎが好きなんだって!?」
「ははは・・。お前を巻き込んで悪かったな。ま、ちょっとした余興さ。」
「おかげで散々な目に遭ったんだぜ。」
「侘びとして、これやるよ。」

サングインが差し出したのは、一輪の薔薇。

「俺の特別製だ。重宝すると思うぜ。使いどころをよく考えるんだな。」
「ふん、礼なんか言うもんか。」
「はっはっは。お前は本当に面白い奴だ。気に入ったぜ。」



ん?ここは?
・・・バナード・メアか。

さっきまで、目の前でサングインが馬鹿笑いしていたのに、一瞬後には転移していた。

もう、何が何だか分からない。
理由も何もかも、一切聞く暇が与えられなかった。

分かったことは、サングインの気晴らしに付き合わされたこと。
それから、どうやら拙僧はサングインに気に入られたらしいこと。

手の中の一輪の薔薇が、そう拙僧に語りかけているようだった。
【2012/05/01 15:34 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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