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【2025/09/11 15:46 】 |
120 明かりを消せ!2


人家のある所から遠く離れた入り江の一角に、アイスランナー号は漂着していた。
すでに航行不能になっているらしく、人々が気忙しげに動き回っていた。



「おお、あんたが協力者か。話は聞いてる。ディージャは船倉の奥であんたを待ってる。」

船で動き回っているのは、どうやらブラック・ブラッド団という新興の盗賊団だけらしい。
はて、アイスランナー号の乗組員はどうしたのか??



くそっ。皆殺しにされてる。
・・・ジャリー・ラめ。拙僧を欺いたな。



「待ってたよ。協力者さん。」
「あんたがディージャか。積荷はすべて運び出したようだが、拙僧の取り分はどこだ?」
「ふふふ。ジャリー・ラから聞いてるよ。礼を尽くしてくれってね。私のナイフの味なんてどうだい!?」



「やっぱりそういう展開かよ。」

返り討ちにしたディージャの懐から、ジャリー・ラの手紙が入っていた。



「なになに。『何も知らずに協力してくれた大馬鹿がそっちに行くから始末しろ。事が済んだら、ブロークン・オール洞窟で落ち合おう』だと。ふざけてやがる。」

今、決まった。
ブラック・ブラッド団は今日を限りに壊滅だ!!

ブラック・ブラッド団にとって、災厄とも言える長い長い夜が始まった。



オラァ!



オラオラオラオラアーーーッッ!!!
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【2012/06/10 11:22 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
119 明かりを消せ!1


「あんたが仕事を世話してくれるって聞いたんだが・・・。」

ウインドヘルムからはるばるソリチュードへやってきた拙僧は、長旅で心許なくなった懐を温める為、小遣い稼ぎをしようと決心していた。そこへ宿屋の店主から、ジャリー・ラというアルゴニアンが仕事の相棒を探していると聞いて、彼の元にやってきたのだった。

「おう、いいだろう。実はあんたに頼みたいのは簡単なことだ。『ソリチュード灯台の火を消して欲しい』んだ。」
「は?灯台の火を?何故だ。」
「灯台の目印がなくなったら、どうなる?進路を間違えた船が難破するだろう。そこを俺の仲間が、沈没して駄目になる前に、荷物を救出するってわけだ。」
「つまり『奪う』ってことか?」
「まあ、そういう言い方もあるかもな。」
「おいおい、じゃあ乗組員はどうなる?」
「助けるさ。英雄として、扱われるようになるだろうな。あんたもかんでみないか?」

正直、盗賊ギルド以外に暗躍している連中がいるのも気に入らないが、後で叩き潰すとして、まずは彼らのお手並みを拝見しようという気になった。
拙僧は、ジャリー・ラの話に乗った。



「ここかあ。初めてだな、ここ来るの。無人の灯台なんて、あんまり気にしてなかったからな。」



おお、燃えとる。燃えとる。



ほらよっと。



拙僧はジャリー・ラと待ち合わせることになっていた港で、予定通り合流した。

「よくやってくれたな。標的のアイスランナー号は、狙い通り付近の入り江で座礁したようだ。」
「拙僧の報酬は?」
「妹のディージャが払ってくれる。彼女はアイスランナー号に仲間と共にいる。」

・・やれやれ、たらい回しか。
嫌な予感がするぜ。
【2012/06/10 11:02 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
118 続・氷の上の血3


「ありがとう。我が過ちを、お前が正してくれたらしいな。恩に着る。」

宮殿に報告に行くと、ヨルレイフの方からすっ飛んできて、拙僧に礼を述べた。
全くだぜ。

「これから先、この街の衛兵はお前に敬う姿勢を見せるだろう。いや、街の者皆がお前に感謝している。」



「ふん!我が予言を聞かせてやったおまえ自身が、予言を外させるとはな。」

ああ、確か「殺人は明日の晩に起こる」とか言ってたな~。
仰るとおりだけど、拙僧が何もしてなくても、あんたの予言は外れてたと思うぜ。

ま、憎まれ口を叩けるぐらいにウーンファースも元気で良かった。



そして、拙僧はウインドヘルムの首長と会見する機会を持った。
そう、スカイリム全土を2分する内戦のキッカケを作った男『ウルフリック・ストームクローク』とである。

彼は良くも悪くも真っ直ぐな男だった。
理想を貫こうとする姿勢に一点の曇りもなく、男として魅かれるのに十分な器だった。

「この街の従士になってはくれないか?そして私と共に帝国と戦ってはもらえないだろうか?」
「すまないが、意に添えそうもない。」

予めこう問われるを予期し、答えを準備しておかなければ拙僧は今、「否」とは言えなかっただろう。

「なぜだ?」
「帝国が正しいとは思わない。だがあんたも正しいとは思えない。それだけさ。」
「そうか。」
  1. この街の灰色地区と呼ばれる地区に住むダークエルフや港湾で働くアルゴニアンを見る限り、ウルフリックの言う『スカイリムの解放』は単にノルドに限定したもののようだ。まずそれが拙僧の癇に障った。
  2. 次に上級王を殺害したこと。理想を貫くために邪魔者を力づくで排除する点は、拙僧にしてみれば、欲得で動く強盗となんら変わらない。自分が正しいと思ってる分、余計に吐き気がするぐらいだ。


「これからどうする?」
「さあてね。ソリチュードでも行ってみるかな。やはり双方の側に立ってみないと、公平でないからな。」
「抜け抜けという奴だな。」

ウルフリックは心底おかしそうに笑った。

「何とも気持ちの良い奴だ。だがもしお前と戦場で敵として出会った時、私は容赦しないぞ。」
「望むところだ。」

こうして拙僧とウルフリックの会見は終わった。
今後、二人の道が交差することがあるのかどうか・・・まだ誰にも分からない。


(作者にも分からない。。)

【2012/06/09 20:55 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
117 続・氷の上の血2


ウーンファースと話した晩、拙僧は現場を事前に見ておくことにした。
(事が起こるのは明日の晩ってことだけど、土地勘を得ておかないとな。)

・・・と、ぷらりと市場へやってきた時に、まさに一人佇む女性の背後からナイフを持って忍び寄る男の姿を目撃した。

「危ない!」



拙僧は無我夢中で男に飛び掛っていった。
そして男のナイフが女性の体に届く前に、拙僧の剣が彼を貫いた。

「きゃあああああーーー!!殺人よーーーー!!」

え?

女性はパニクリながらも拙僧を指差して「こいつよー!」と喚き続けている。
いや、ちょっと待って!拙僧、あんたを救ったんだってば!

駆けつけた衛兵が拙僧を取り囲み、すわ主の危機と従者リディアが抜刀する。
女は混乱ぶってる割に、的確に拙僧を罵倒し続ける。

皆、やめれ~~!!




拙僧は誤解を解くまでに、半時間ほど時を費やした。

犯人の懐をまさぐると、例の髑髏のペンダントがあった!
あれ?これはカリクストに売ったはず。。

そこで初めて、犯人の顔を見ると、カリクスト本人だった。。



その後、続々と証拠が出てきた。

彼の家の屋根裏部屋にあった宝箱から、鋭利な刃物やら、日記が出てきたのだ。



彼はどうやら死んだ妹を蘇らせたかったらしい。
血のつながりを越えて、彼女を女として愛していたようだ。

道ならぬ愛の末の惨劇・・・というやつか。
【2012/06/09 12:46 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
116 続・氷の上の血1


数日ぶりにウインドヘルムに戻ると、衛兵からまた殺人が起こったことを知らされた。
まじっすか!

「あんたがウーンファースを捕まえて、一件落着したと思っていたんだがな。」

うわ、いつしか拙僧が捕まえたことになってる。
ヨルレイフの早とちりなんだって!
・・ま、拙僧も証拠を提出して、逮捕劇に一役買ったのは否定せんけど。

「とにかくウーンファースと一度話したほうがいいだろう。彼は無実だ。」

無実の罪で捕まえた相手と面会かよ~。
気、気が重い~。



「ほう!また殺人が起こったのか!だが、私は檻の中だ。」

予想通り、嫌味ったらしく言われてしまった。

「そもそも何故、私が犯人だと思った?」
「あんたの日記とペンダントがあったんだよ。」
「はぁ、日記?タロスにかけて誓うが、私は生涯一度も日記なんて付けた事がない。ペンダントとはどんなものだ?」

拙僧はペンダントの特徴を告げた。

「ふむ、どうやらお前の推理は半分は当たったようだな。確かにそのペンダントは死霊術師が使うものだ。だが、私は噂で言われているのと違って、死霊術に手を染めたことなど一度もない。これでもウインターホールド大学の名士だ。あそこが死霊術をタブーとしていることはよく知っているだろう?」
「なるほどな。ってことは収集家のカリクストの見立ては完全に的外れだったようだな。」


「ところで私は、これまでの殺人のパターンを分析してきたんだ。そして何らかの死霊術の実現のために、殺人が行われているものと確信していた。次の殺人が起こるまで、もう時はない。明日の夜に石地区へ張り込め。」
【2012/06/09 11:56 】 | 救世の旅 | 有り難いご意見(0)
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